東京で野生のイルカと泳げる場所があるのはご存じですか?
伊豆諸島の1つで御蔵島に並び、近年ドルフィンスイムが楽しめる島として注目されている島、それが利島(としま)です。
利島は東京から約144km離れた場所にあり、人口350人程の小さな島です。
同じ伊豆諸島の1つである御蔵島もイルカと泳げる場所として有名ですが、ここ利島もミナミハンドウイルカが20頭程生息し、一緒に泳ぐ事ができる島として近年有名になりつつあります。
島の位置
利島は伊豆諸島の1つで伊豆大島と新島のちょうど間くらいに位置しています。ドルフィンスイム以外には伊勢海老やサザエ、椿が有名です。
また、自然も豊かなので星空も堪能できます。こんなに都会からはなれていますが、住所は東京なのが驚きです。


東京からのアクセス方法と料金 (竹芝発着船)
移動手段/料金/時間 | 高速船 | 大型客船 | 調布発(セスナ)→大島乗換(ヘリ)→利島 |
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料金(片道/人) | 7,960円(6月料金) 料金は時期で変動 | 4,840円 (2等席 6月料金) 料金は時期と搭乗等級で変動 | セスナ 12,000円 ヘリ 7,370円 計 19,370円 |
移動時間(片道) | 約2時間半 | 約7時間半 | 約40~45分 |
大型客船、高速船は東京竹芝港より就航します。その他には伊豆下田から客船が出ています。
ANAの羽田-大島線は2015年に撤退しているので、上記3通りが主なアクセス方法となります。
大型客船(最低等級)→高速船→セスナ&ヘリの順で料金が高くなります。大型客船は時間はかかりますが、夜発のため、お台場や横浜港の夜景を楽しめたり、寝ている間に目的地に到着できることがメリットです。
セスナ&ヘリは最短で移動できますが、最も運賃が高いです。とにかく時間がない人、空から風景を楽しみたい方にはベストな移動方法でしょう。
今回、往路は大型客船、復路は高速船の移動となります。
大型客船、高速船(竹芝〜利島)
客船(下田〜利島)
セスナ(調布〜大島)
ヘリコプター(大島〜利島)
利島旅行記
夜の船出

大型客船は竹芝客船ターミナルを22時に出発し、横浜港と伊豆大島に途中停泊しつつ、翌早朝には利島に到着予定となります。
竹芝ターミナルに到着すると、9月末なのに以外に多くの乗客たちが並んでいました。
釣り人も結構多く、4割くらいは釣竿やクーラーボックスを持った人たちでした。
乗船券は等級ごとに料金が異なり、特等〜2等の全6段階(船により若干異なる)あり、今回は2等の一番安い乗船券を購入しました。
2等席は個室ではなくリクライニングシートのみですが、フラットに近い状態にできるのであまり負担に感じない人は2等席で十分かと思います。御蔵島へ向かう船では2等席は大広間でしたので、船により仕様が少し異なるようです。
東海汽船のホームページより船内の様子を確認する事ができます。

船は定刻通り出航し、お台場の夜景をナイトクルーズしながら楽しめます。
部屋は等級ごとに分けられ、シャワールームやトイレ、飲食店なども完備されています。
また、デッキでは飲食する事ができます。お台場の夜景を楽しみながらお酒が楽しめるのも魅力です。
この日も多くの乗船客がお酒とおつまみを持参し、デッキで宴を楽しんでいました。
写真右側の橋はレインボーブリッジで、この下を船が通ります。

船内にはレストランもあり、飲食を楽しむ事もできます。

レストラン内は海をイメージした内装で、旅の期待感を演出してくれます。

レストランで小笠原レモンチューハイをいただきました。
小笠原諸島で栽培されたレモンを使用していて、さっぱりした味わい。

お台場を過ぎ、船は横浜の大さん橋に少しの間停泊しました。
横浜港の夜景もデッキから楽しむことができます。

船はお台場でレインボーブリッジの真下を通過しますが、横浜でもベイブリッジ下を通ります。
横浜港を過ぎるとそのまま大島まで夜の海を進みます。デッキで潮風にうたれながらまったりするのも良いですね。
島へ上陸

夜が明け、船が無事利島へ到着しました。船客は釣り人も多く乗船しています。春から秋にかけてはカンパチやシマアジ、冬から春には剣先イカなどを釣る事が出来るようです。



中央にそびえるのは「宮塚山」(みやつかやま)で綺麗なピラミッド型をしています。標高は約500メートルで登山も可能です。私たちが訪れた時は台風による倒木の影響で登山道が塞がっていたため、登頂出来ませんでした。残念。。

「ようこそ利島へ」のお出迎えと共に事前に予約しておいた利島ダイビングスクールのオーナー自ら軽自動車で迎えに来てくれました。
ここから車で5分程の距離の所にお店を構えていて、お客さんを順番に連れていってくれるようです。
この日は同じショップに予約したドルフィンスイムをする人たちが7~8人だったため、3回程往復運転し全員をショップへ送迎してくれました。

島の地図です。利島ダイビングサービスは利島港のすぐ近くに位置しています。
島内には商店や飲食店、お土産屋さんなどもあります。

ここが利島ダイビングサービス。イルカのモニュメントが特徴的です。
ここで着替えて準備し、最初のドルフィンスイムの出発を待ちます。
館内は綺麗でドリンクサービスもあり、快適に待つ事ができます。
また、スノーケリングセット一式レンタルも可能でシャワー、ドライヤーも完備されています。

ショップは小高い山の上に位置しているため、眼下には海が望めます。
車はまったく通らずのんびりとしたのどかな島です。

この日は海も結構穏やかで水平線がどこまでも続きます。同じ東京の景色とは思えません。

ここは船が停泊した利島港です。右側の黄色い建物が船の待合所です。
念願のドルフィンスイム

出発の時間となり、先ほど送迎してくれたオーナーが軽自動車で再び港まで送迎してくれ、クルーズ船に乗り換えイルカのいるポイントまで向かいます。船長が船上よりポイントを見つけ、合図して海に入ります。
オーナーは利島で生まれ育ったようで、イルカのいるポイントに詳しく他にもいろいろと島の事を教えてくれました。

海に入るとイルカが至近距離に!イルカ独特の鳴き声を水中でも確認する事ができます。

親子っぽい小さいイルカも一緒にくっついて近寄ってきました。

こちらのイルカはぼんやりしながら、流れに身を任せています。眠っているようにも見えます。

イルカたちは好奇心旺盛で私たちに近づいてくれました。いろいろなイルカを見ていると人間と同じように個性がある事がわかります。

イルカが離れると再び船に戻り、イルカのいるポイントまで行き、また潜る事3~4回繰り返しドルフィンスイムが終了しました。
終了するとオーナーがショップまで再び送迎してくれました。シャワーを浴び着替えて少しまったりした後、予約しておいた民宿に向かいます。
島さんぽ

民宿まで向かう途中の景色。
定住エリアは限られているので、基本徒歩で移動可能ですが、島全体が山岳地形のため坂道が多く足腰が鍛えられます。

民宿にはテレビ、扇風機、エアコンなどがあり、いかにも民宿といった雰囲気。宿泊した民宿では昼食はついていなかったため、近くの商店で食料を買い部屋で済ませました。
早朝に島に到着し、午前中はドルフィンスイムだったので、午後は島内を散策してみる事にしました。
散策していると島には人がまったくいなく、お店も全然やってませんでした。
商店で島人に聞いてみると、この日は島でただひとつの小中学校の運動会で、島人の多くが参加しているためほとんどのお店は営業していないとの事でした。
気になったので運動会が開催されている利島小中学校へ向かう事にしました。

利島小中学校に到着すると村民総出で運動会が行われていました。
観戦していると、二人三脚レースの一般枠に空きがあり、ちょうど3名募集していたため、友人と立候補し参加させてもらいました。
島の大人や学生のMIXチームに混ぜてもらい、2チームで競い合い見事勝利しましたw


他には勤労福祉会館という建物の中にわずか2レーンのみのボウリング場があります。料金は1ゲーム300円。
ドルフィンスイム記録
ドルフィンスイムの映像をこちらは動画にまとめてみました。
帰りは高速船で

2日目のドルフィンスイムも終了し帰宅コースへ。帰りは疲労が予想されたので高速船を選択。
行きは大型客船で7時間半かかりましたが、高速船だと2時間半で竹芝まで帰れるため、時間の節約になります。

港には待合所もあるので、船が来るまで中で待つ事もできます。お土産を買いたい人は待合所では売ってないので、竹芝港到着後に買うか島内にお土産ショップがあるのでそちらで事前に買っておくのが良いでしょう。

ほどなくして高速船が着港し乗客達が乗り込みます。
大型客船に比べやや揺れるため、船酔いが心配な方は酔い止め薬を飲んでおきましょう。
利島は東京からのアクセスが非常に良く、大型客船は夜出航のため、週末仕事終わりにそのまま行ける手軽さが魅力です。同じドルフィンスイムで有名な御蔵島も良いですが、利島には利島ならではの魅力があります。

