世界の都市には多くのスラム街が点在していますが、その中でも最大のスラム街7選をご紹介します。
- スラム街とは?
- なぜスラム街ができるのか?
- 世界最大のスラム街7選
- 【マンシェット・ナセル】カイロ、エジプト/Manshiyat Nassr, Cairo, Egypt
- 【シテ・ソレイユ 】ポルトープランス、ハイチ/Cite-Soleil, Port au Prince, Haiti
- 【トンド】マニラ 、フィリピン/ Tondo, Manila, Philippines
- 【カエリチャ】ケープタウン、南アフリカ/Khayelitsha, Cape Town, South Africa
- 【ダラビ】ムンバイ、インド/Dharavi, Mumbai, India
- 【キベラ】ナイロビ、ケニア/Kibera, Nairobi, Kenya
- 【オランギタウン】カラチ、パキスタン/Orangi Town, Karachi, Pakistan
スラム街とは?
ドラマや映画、ゲームなどでスラム街とよく耳にしますが、スラム街とはどんな街なのか?
簡単に言うとスラム街とは『都市部で貧困層が過密化し、公共サービスが受けられない地区』のことです。世界中の多くの大都市でスラム街があり、国連の調査によると推定10億人がスラム街で暮らし、ユニセフの調査によると世界の都市人口の約30%がそこに住んでいることになります。
なぜスラム街ができるのか?
スラム街の形成は時代や地域によって異なりますが、主に都市部に仕事を求めてやってきた人々、強制的に連れてこられた人々が特定の地域に定住し、形成されていくケースが多いようです。住民の多くは低所得者層や失業者のため、生きるために違法薬物の売買、売春などの犯罪行為に手を染める者も多く、解決までの道のりは険しいのが現状です。
世界最大のスラム街7選
【マンシェット・ナセル】カイロ、エジプト/Manshiyat Nassr, Cairo, Egypt
別名『ガベージシティ』(ごみシティー)と呼ばれるこのスラム街は、カイロ南東部の郊外にあり、約262,000人が暮らしているとされています。住人の多くはエジプトでは少数派のキリスト教一派であるコプト教徒でカイロから運ばれるゴミのリサイクル、収集などをして生計を立てている者が多い。多くの家で電気、ガス、水道のインフラ設備が不足している。
【シテ・ソレイユ 】ポルトープランス、ハイチ/Cite-Soleil, Port au Prince, Haiti
北半球と南半球で最大のスラム街の一つで、以前はゴミの埋立地エリアだった。ハイチ共和国の首都ポルトープランス北部の海岸沿いに位置し、約300,000人が暮らしている。住人の多くは子供や若い成人でエイズや暴力事件により死亡率が高い。医療、教育、インフラは不足していて、治安が悪くギャング同士の銃撃戦、強盗、殺人、誘拐、強姦等が頻発している。
【トンド】マニラ 、フィリピン/ Tondo, Manila, Philippines
首都マニラの北西部にあり、約600,000人が暮らす人口密集地域。ゴミの最終処分場である『スモーキーマウンテン』もかつてこのエリアにあったが、政府によって閉鎖させられた。住民はゴミから鶏肉のくずを集めて煮て「パグパグ」と呼ばれる料理を作り、他の貧しいスラムの住人に売ることで生計を立てている者も多い。
フィリピンの残飯飯『パグパグ』
【カエリチャ】ケープタウン、南アフリカ/Khayelitsha, Cape Town, South Africa
2011年の国勢調査によると、このスラムには約400,000が住み、その99%が黒人で失業率は73%。町はアパルトヘイト時代、仕事を求めてケープタウンに移住した黒人労働者のためのゲットー(主に貧困地区)として 設立された。衛生環境は非常に悪く、平均して5つの家族が1つのトイレを共有しているため、伝染病も蔓延している。
【ダラビ】ムンバイ、インド/Dharavi, Mumbai, India
世界最大のスラム街である一方、非公式経済が活発な地域でその規模は年間約10億ドルとされている。約2.1km2に1,000,000人が暮らす人口密集地域でアカデミー賞を受賞した映画「スラムドッグ$ミリオネア」が撮影されたことから、知名度が高まり訪れる旅行者も増えた。近年は再開発の波が迫り、政府と住人で対立が続いている。
【キベラ】ナイロビ、ケニア/Kibera, Nairobi, Kenya
ケニアには複数のスラム街があり、キベラは首都ナイロビ中心部から約5kmの場所にあり、アフリカ最大のスラム街と呼ばれてる。50,000人以上の子供たちが住んでおり、ゴミ山から食料を調達している。街の人口は約700,000人で半数が失業者となる。
【オランギタウン】カラチ、パキスタン/Orangi Town, Karachi, Pakistan
オランギタウンはアジア最大のスラム街として知られ、パキスタンの北西部にあり、そこには約2,400,000人が暮らしている。居住者はコンクリートブロックで作られた家に住んでおり、8人から10人が2つまたは3つの部屋を共有しており、公共インフラは整っておらず、コレラやデング熱などの伝染病の脅威にさらされています。
世界の大都市では10人のうち3人がスラム状態で暮らしているとされています。そうした現状から、国連は持続可能な世界を目指すSDGsに「住み続けられるまちづくりを」テーマに『2030年までに、全ての人々の、適切、安全かつ安価な住宅及び基本的サービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する。』と目標に掲げています。各NPO法人など支援活動を行なっているので、募金などを通して私たちも間接的に支援することができます。
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